電子状態密度(DOS)計算 (fcc Si DOS)

VASPのサンプルやってみたシリーズ。
今回はfcc Si DOS。

http://cms.mpi.univie.ac.at/wiki/index.php/VASP_workshop_2003
http://cms.mpi.univie.ac.at/wiki/index.php/Fcc_Si_DOS

DOS (Density of States)は電子状態密度のこと。

INCAR

general:
 System = fcc Si   # names of System
 ICHARG = 11       # charge read file
 ENCUT  = 240      # energy cutoff in eV
 ISMEAR = -5       # tetrahedron
 LORBIT = 11       # about RWIGS, PROCAR, PROOUT

1行目: 何を表してるかわからない。ただのコメント文か?(誰かおしえて)
ICHARG: 初期の電荷密度の導出法を決定するパラメータで前回に既出であるが、

partial DOSを計算したい場合には、もとの値に10をたす、つまり10, 11, 12のいずれかに設定する。一度セルフコンシステントループを回した後に、部分DOSの描画のための精密なk-pointでの再計算において計算時間を短縮するときに設定する。

はじめてのVASP原理から使用法、適用例まで 西谷滋人

ISMEAR: 

DOSの表示には、Blochl補正を入れたテトラヘドロン法を使うべきである。高い精度のエネルギー計算にもテトラヘドロン法が適している。しかし、金属の力の計算(phonon 計算も含む)においてはMethfessel-Paxton 法が適切である。これは、テトラヘドロン法では部分占有されたバンドに対しての微分が取れないためである。金属ではバンドギャップがなく、フェルミ面でカットされた部分DOSがある。しかし、半導体や誘電体ではこのような状況は起こらないので、テトラヘドロン法が適している。ユニットセルサイズが非常に大きい場合は、k-pointを1個か2個しか取らないので、Gaussianを使っても問題ない。 

はじめてのVASP原理から使用法、適用例まで 西谷滋人

LORBIT: INCAR中のRWIGSの値を読み込むかどうかと出力ファイル(PROCAR, PROOUT)の選択。値の詳細はVaspwiki参照。

このやり方が正しいかどうかはわからないのだが、CHGCARがないのでICHARG=11を指定するとエラーが出る。一度ICHARGをコメントアウトして実行し、その後ICHARG=11を指定して再度実行した。(ひとつ前のサンプルfcc Siで格子定数を3.9で計算した結果からCHGCARをコピーしてくればいい。)

pertial DOS (部分状態密度)とprojected DOS (投影状態密度)はどちらもPDOSと書き、同じものを表すようだ。

結果

DOSCAR

DOSの結果はDOSCARに出力される。単位は[number of states / unit cell](よくわからない)。

   1   1   1   0
  0.1482975E+02  0.2757716E-09  0.2757716E-09  0.2757716E-09  0.5000000E-15
  1.000000000000000E-004
  CAR 
 fcc Si                                  
     29.34297713     -6.37833197  301      9.89512679      1.00000000
     -6.378  0.0000E+00  0.0000E+00
     -6.259  0.0000E+00  0.0000E+00
     -6.140  0.0000E+00  0.0000E+00
        ・
        ・
        ・
    29.34297713     -6.37833197  301      9.89512679      1.00000000
     -6.378  0.0000E+00  0.0000E+00  0.0000E+00  0.0000E+00  0.0000E+00  0.0000E+00  0.0000E+00  0.0000E+00  0.0000E+00
     -6.259  0.0000E+00  0.0000E+00  0.0000E+00  0.0000E+00  0.0000E+00  0.0000E+00  0.0000E+00  0.0000E+00  0.0000E+00
     -6.140  0.0000E+00  0.0000E+00  0.0000E+00  0.0000E+00  0.0000E+00  0.0000E+00  0.0000E+00  0.0000E+00  0.0000E+00
        ・
        ・
        ・

1行目: 原子の数 原子の数 ループの数 ISPIN(1:non-spin, 2: spin)
2行目: 体積(Å3) 格子パラメーター(m) ??
3行目: ??
4行目: ??
5行目: INCARのSystemの値?
6行目:
EMax[eV] EMin[eV] NEDOS EF[eV] spin(1:non-spin, 2: spin)
7行目以降:
spinの指定を指定なければ、
energy DOS integrated DOS
の並びで出力される。
13行目以降:
今回LORBIT=11をしているのでPDOSが出力される。13行目は6行目に同じ。
14行目以降は、スピンを考慮していないので、
energy s-DOS p-DOS d-DOS
が出力される。10列あるのは以下の通り。(VASPフォーラムとPROCARから推察するにあってるはず。)
energy s py px pz dxy dyz dz2-r2 dxz dx2-y2

構造緩和で出力されたDOSCARは役に立たないので、もし正確なDOSを求めたい場合は、構造緩和した後のCONTCARをPOSCARにコピーして、staticな計算(ISTART=1; NSW=0)を再度しろと書いてある。

Vasp Wiki (https://cms.mpi.univie.ac.at/wiki/index.php/DOSCAR)

vasprun.xmlから必要なデータを抽出してgnuplotで出力するスクリプトがサンプルページに記載されているが、DOSCARをExcel等で読み込んで出力する方が楽か。フリーの可視化ソフトがVASPのHPで紹介されているので、それらをつかってもいいかもしれない。

とりあえず作成したグラフは以下。

PDOSを足しあわせたら、totalになると思っていたのだがそうではないようだ。勉強不足だが、Wigner-Seitz半径の選び方によってPDOSは変わるようだ。(Total DOSは変わらない。)

微妙にWorkshopのテキストの結果と違うが、微妙な差なので良しとしよう。CHGCARの取扱の差と思っておく。

状態密度のグラフの見方がまだ良くわかっていないが、フェルミエネルギーでDOSが0でないということは、FCC Siは金属的な振る舞いをするということか。(FCC Siが存在するなら。)

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